第55回 懸賞論文 受賞者 下萩 千耀氏
第55回懸賞論文
論文金賞
課題:変容する世界と広告
下萩 千耀
博報堂
マーケットデザイン事業ユニット
PR局 プラニング二部
PRプラナー 統合プラナー
『広告は「求心力」のデザインへ
~超多様性社会における、広告人の新たな使命~』
*作品のサマリーは、下記よりお読みいただけます。
金賞は『広告は「求心力」のデザインへ ~超多様性社会における、広告人の新たな使命~』第55回JAAA懸賞論文の受賞作品が発表に
(宣伝会議『AdverTimes.』)
プロフィール
2018年博報堂DYメディアパートナーズ入社。雑誌編集者の知見をアイデアの発火点にするソリューションチームの立ち上げ等を経験し、2021年より現職。現在は飲料、ヘルスケア、化粧品などのPRや統合コミュニケーションに従事。社会発想クリエイティブを目指し中。
ヤングライオンズ2022デジタル部門シルバー、ヤングスパイクス2022デジタル部門日本代表、ヤングカンヌ2024デジタル部門ブロンズ
受賞コメント
一年前の春、「書くのって楽しいですよ」という後輩の言葉がきっかけで応募に至りました。ごく個人的で小さな違和感も、掘り下げると世の中に通じる。その感覚を肌で味わえたことが何よりの糧です。批判を恐れる時代、広告も萎縮するのかと悲観することもありましたが、誰かの心を惹きつける原点に立ち返れば、キラキラとした無限の可能性があると改めて信じることができました。最後に、いつも支えてくださっている皆さまに心から感謝申し上げます。














大衆、分衆、UGC、の時代を経て、今や「無数の界隈」に分断された世界。その「無数の界隈を跨いで」いく力こそが、これからの広告人に求められるという筆者の提言を、ぜひ一人でも多くの広告人に読んでほしい。インサイトフルかつ人類普遍をめざし、強引ではなく内発的動機を尊重し、熱いアイデアなのに排他に陥らず、言うだけ番長でなくやってみせる。…そういうものに私もなりたい。
読売広告社 中村信介
(第55回懸賞論文審査員長)
受容性が高そうな「多様性」という言葉には、理解の放棄が見え隠れし、AI・アルゴリズムは分断を加速させている。そんな時代の広告の役割を「賛同できる人が主体的に集える場の創出」と鮮やかに切り取ったこの論文は、煩わしいとさえ言われる昨今の広告とは真逆の存在価値を与え、今後に希望を感じさせてくれる。この論文自体に求心力があり、広告人に向けた「この指とまれ」だと思うので、ぜひ多くの方にご一読いただきたい。
オリコム 西村雅子
集団そのものに働きかけるのではなく、求心力のある「場」を設計するという提言。超多様化が進む現代で人や集団を一括りに語る難しさを踏まえ、コンセプトへの賛同者を起点にニュースタンダードを生み出す発想には説得力がある。一方で筆者も“越境”の難しさに言及している通り、実務では多数派への浸透や社会的合意形成も重要である。共感をいかに社会的スタンダードへ接続するのか、さらなる議論の深化を期待したい。
東急エージェンシー 井上友香理