第55回 懸賞論文 受賞者 横山 徹氏

2025JAAA
AWARD

2025年 CREATOR OF THE YEAR賞 受賞者決定!

第55回懸賞論文 特別部門(他業界経験者からの視点) テーマ:他業界での経験に基づく広告業界・広告ビジネスへの意見・提言

横山 徹

博報堂

ビジネスコンプライアンス室
コストマネジメントディレクター

『知の継承と進化:AIが紡ぐ広告業界のサステナビリティ』

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プロフィール

情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。広告制作会社にてR&Dに従事し、AI・メディアアートの制作・研究に携わる。六本木ヒルズ、IMA、エルサレムなど国内外での展示実績を持つほか、TDCなど広告賞も受賞。東京藝術大学音楽環境創造科にて非常勤講師を務めたのち、2024年に現職へ入社。ビジネスコンプライアンス室にて、広告制作現場へのコンプライアンス指導、コスト管理支援および制作アドバイスを担う。

受賞コメント

この度は栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。どれほど優れた知見も、人が去れば消える――広告の現場でその歯がゆさを感じ続けてきたことが、本研究の原点です。知は受け継がれるべきものであり、いまそれを可能にする技術がある。この確信を形にできたことを、心から嬉しく思います。本論考が業界を越え、誰かの挑戦の一歩を後押しできれば、これに勝る喜びはありません。

審査員からのコメント

大学では論文やゼミを通じて知識が体系的に継承されるが、広告業界では個人の経験や思考が退職と共に消失する―――この対比と気づきが鮮烈だ。広告業界は「暗黙知」に依存するのにそれを組織資産として継承する仕組みがないとの指摘もその通りだ。そこで筆者は「デジタルツイン」の構築を提言し実践する。おそらくこの方法はAI時代ならではの広告会社の知を永続させる解だ。特別部門設定の意義を感じさせてくれる素晴らしい論文。

ADKマーケティング・ソリューションズ 宇賀神貴宏

言語化不可と言われる個人内に格納されている経験や知識を資産とするための実験。考え方だけではなく実際に仮説をたて実証実験を行いあがった成果を報告している。これを深堀し実現すればより確度の高いツールなどに発展させられるのではないかと感じました。そのような実験は他業界や様々なプロジェクトで行われてはいるが、暗黙知深い広告業界にあてはめて展開させようとしたところに意外な新鮮さを感じました。

日本経済広告社 斎院広康

AIの時代に、ベテランの経験や勘といった暗黙知は不要になってしまうのでしょうか。本論文は、その問いに対し、暗黙知を「消えるもの」ではなく「組織の資産として残すもの」という視点を提示します。AI時代における知の残し方を考えさせてくれる内容であり、経験を積み重ねてきた私たちにとって、実践的な示唆と同時に勇気も与えてくれる作品だと感じました。

マッキャンエリクソン 吉開陽