第50回 懸賞論文 受賞者 小幡 朋州氏
第50回懸賞論文
論文金賞課題:広告、次の10年
小幡 朋州
博報堂
アカウント統括局 局長代理
『BtoB&C事業投資モデル=これからの広告会社の「売り」と「売る物」 ~“事業リスク・リターン概念”という武器で“Incubatability”が輝く~』
受賞作品はこちら受賞コメント
この度栄誉ある賞を頂けたことは望外の喜びです。
私は総合広告会社が継続的な企業価値向上の道を歩めるのか否かの分水嶺にいる気がしてなりません。執筆の動機は、これからの広告会社の『売り』と『売る物』を示すこと。 執筆は、先達の文献や論文に唸り、翻弄されながら、己の構成力と表現力の乏しさと戦った時間。支えは先輩後輩、家族の適切な助言でした。執筆後の今思うことは、この論考をこのままで終わらせず檄文とし、仲間と共に具体的な第一歩を踏み出すこと。大いに楽しませて頂いた課題「広告、次の10 年」、ご一読頂けたら幸いです。














「売り」と「売り物」という概念を使い、切れ味鋭くこれまでの広告ビジネスの課題を検証。さらに商社モデルに学びつつ、「事業リスク・リターン概念」を取り入れた広告会社の新しいビジネスモデルへの転換を提案してもらいました。「広告、次の10年」という論文テーマに正面から向き合った労作です。広告会社は長年比較的短期で資金回収ができるビジネスモデルでやってきています。中長期にわたる投資・回収モデルにどう取り組めるかは、確かに今後の広告業界発展に向けての大きな課題と感じました。
ADKマーケティング・ソリューションズ 宇賀神貴宏
広告業界に一定以上の期間身を置いている者なら誰しも抱えている昨今のもやもや・ジレンマに対し『売り』と『売る物』という平易な言葉を大事に、膨大な文献量をもとにした分析と果敢な提言で転換期にある我らが業界に刺激的な示唆を与えてくれます。この論文を片手に経営層から次代を担う若手までいろいろな人達で議論し合ってほしいと思わせる一篇です。
電通 松本彰子
マーケティング事業会社として次の10年を切り拓いていくという目標設定。そして、そのために不可欠な事業リスク・リターン概念を備えた企画型事業組織への変革という提言は、第50回の金賞にふさわしい大きな価値があると感じた。多くの広告人にとって厳しい覚悟を求めているが、変化はチャンスであるとあらためて思った。
読売広告社 浜田茂