第50回 懸賞論文 受賞者 荻野茂男氏

第50回懸賞論文 論文部門銅賞

課題:広告、次の10年

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荻野 茂男

博報堂

第二プラニング局 マーケティングプラニングディレクター
『母なる資本主義を越えてゆけ
~持続可能性を訴求する広告は、持続可能なのか?~

受賞コメント

この度は栄誉ある賞をいただき、光栄に存じます。
日常の現場業務で感じる小さな気づきに、広告の大きな発展への入口があるのではないかと思い、執筆いたしました。
次の10 年、広告業界が課題先進国・日本のヒーローとなる期待を込めて論考しましたので、広告業界の皆さんにお読みいただければ幸いです。

審査員からのコメント

多くの企業が短期利益追求から持続可能な成長へと進路を変えるべく取り組む上で、大きな障害となるのはそれを理解・支持する生活者が増えない・続かないことだと思います。広告会社が培ってきた「生活者の価値観を転換する力」で、その「生活者の未成熟」を改善しよういう筆者の提唱は、マーケティング成果も同時に約束しなければならない点で広告会社にとって大きな、しかしプライドをもって取り組むべき挑戦だと受け止め多くの広告人に読んでもらいたい作品だと思いました。

朝日広告社 大城勝浩

「広告、次の10年。」というテーマは、なかなかの曲者。率直に言うと「何の」次の10年を語るのか。乱暴に提示された「広告」という言葉をどう捉えるか、どこまで概念を拡げて考えていいのか。書き手も悩んだだろうし、その点で評価が割れる場面もあった、と自分は思う。この論文は、その点、大胆に切り込んでいたから、おもしろかったし、発想の自由さこそ価値だ、と思いました。銅賞受賞、おめでとうございます。

ジェイアール東日本企画 鈴木良平

環境や格差などの社会的歪みを生み出している短期利益追求ではなく、社会や経済、生活で大切な持続可能性への価値観転換を起こす「パラダイムシフト広告」に、広告会社も主体的に関わっていくべきとするのは、これからの広告会社のひとつの方向性を示すものとして、高く評価しました。「世間」「空気」といった日本的なワードを用いた分析や、また、広告のコンセプトのOur Goodも大変分かり易く説得力あるものでした。

日本経済社 河内茂

– JAAA 一般社団法人 日本広告業協会