第50回 懸賞論文 受賞者 成瀬 翔太氏
第50回懸賞論文
新人部門「私の言いたいこと」(テーマ自由)
成瀬 翔太
大広
ブランドアクティベーション統括 顧客価値開発本部
大阪顧客発掘局 谷口(智)チーム
『「ぺこぱ」から学ぶ多様性時代のコミュニケーション ―ダイバーシティからインクルージョンへの変遷の中で』
受賞作品はこちら受賞コメント
この度はこのような名誉ある賞に選出いただき、誠にありがとうございます。執筆にご協力いただいた皆様、そして私のお笑い感を変えてくださった「ぺこぱ」のお二人に感謝申し上げます。
このコロナ禍の中で入社し、まさに不透明な時代を実感した1年でした。そんな日々変わりゆく業界・社会をどうとらえていくか考える機会をこの論文執筆を通していただけたと思っております。コロナ世代と言われる私たちだからこそできる業界・社会へのかかわり方を模索し、日々精進していきたいと思います。














「ぺこぱ」の笑いの神髄を「批評性」に見出した点がとても鋭い。社会や常識への批判という視点を持ち込んだことが「人々の生活意識とコミュニケーション」という大きな視点からの考察を可能にし、懸賞論文の作品として読み応えのあるものにしている。マジョリティ感覚や軸の喪失はこれからのコミュニケーションを考えていく上でカギとなる、非常にいい提言であるとの感想をもった。
I&S BBDO 若月健
この作品は、「ぺこぱ」で柔らかく入りつつ、その先がちゃんとマジメだ。身近な話題から柔らかく入って、コムズカシイ結論へいくタイプは、懸賞論文界のぼったくりバーだと個人的に思う。ムズカシイはつまらないが、マジメはおもしろい。ムズカシイはたやすいが、マジメはたいへんだ。こういう論文を書く人がどんどん増えると、広告界は元気になると思いました。受賞おめでとうございます。
ジェイアール東日本企画 鈴木良平
分析の対象は「ぺこぱ」という一組の漫才ですが、本論はそこから広告表現が直面している重い課題と、その突破の可能性という「普遍」を炙り出すことに成功します。SNSが存在感を増し、いやゆるバズったり炎上して上等といった考えが散見される中で、他者を攻撃したり排除することなく、生活者の共感や支持を得るにはどうすればよいのか。そのヒントを「マイノリティへ味方する」という戦略に見出していく、スリリングな一論です。
博報堂 伊藤耕太