第51回 懸賞論文 受賞者 大岩 可南氏

第51回懸賞論文 「私の言いたいこと」新人部門受賞

テーマ:自由

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大岩 可南

電 通

関西支社ソリューション・デザイン局ビジネス開発グループ
コンテンツビジネス1部アソシエイト・コミュニケーション・プランナー *応募時
『「事業共創」としてのコンテンツ・コラボレーション
――新たな「推しごと」の創出に向けて、広告がすべきこと

プロフィール

1995年東京都生まれ。
2021年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。同年㈱電通入社。
ヤングライオンズ/スパイクス コンペティション2022 メディア部門ファイナリスト。
現在、同大学院博士課程に在籍するかたわら、外資系コンサルティングファームにて勤務。

受賞コメント

このたびは伝統ある賞をいただき、たいへん光栄に思います。
お世話になったすべてのみなさまに、この場をお借りして心よりのお礼を申し上げます。
メディアとは、情報の拠りどころとしての媒体という意味のほかに、「霊媒」の謂でもありました。霊的な拠りどころとしてのメディア=コンテンツ。ただ売る、ただ貼る。そうではない。そこに織り込まれた人々の情動に想いを馳せ、解きほぐしてゆくことこそ、コミュニケーションのプロに課された務めであるとの自戒をこめて。

審査員からのコメント

昨今、若者を中心に見られる「推し」にまつわる消費行動(「推しごと」)には興味を持っていました。本論ではその「推し」を取り上げてますが、「推し」にさまざまなファンの想いをつなぐメディアとしての役割を見出すことで、従来的なコンテンツタイアップを超えた企業との共創の可能性を私たちに気づかせてくれます。非常に洞察に満ちた論文と感銘を受けました。

ADKマーケティング・ソリューションズ
宇賀神貴宏

新人とは思えない論理展開の秀逸さを感じた。ファンやオタクがコンテンツを“推す”行動は、ある種の労働の奉仕(おしごと)でありながら、奉仕者に無類の喜びをもたらす。企業はこうした心理を理解・尊重し、「搾取」ではなく「利他」のこころで幸せな関係性をファンとともに紡がなければならない。―“推し”という行動心理を丁寧にひもとき、広告会社のIPビジネスに示唆を与えてくれる良作。

大広 片倉淳子

「推しごと」など現在起こっている事象を起点に、過去のコンテンツコラボレーション事例と比較することによって、その変化の本質を炙り出し、今後さらに「送り手」「受け手」「メディア」「コンテンツ」が渾然一体となっていくであろう社会において、私たちが今後取るべき態度を示唆している。コンテンツコラボレーションが主題として書かれているが、その範疇に限らず、現在進行形の変化を的確に捉え、考察することによって、広く近未来のコンテンツ、メディア、コミュニケーション全体を見通した鋭い考察である。

フロンテッジ 中西知行

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