第52回 懸賞論文 受賞者 高石 瑞希氏

第52回懸賞論文プレゼンテーション部門

テーマ:自由

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高石 瑞希

大広WEDO

プロデュース力Division チームデジタルプロデュース力
『来る「贈与」の時代に広告会社は何をすべきか

プロフィール

1993年神戸出身。京都市立芸術大学卒業後、フリーランスのイラストレーター・グラフィックデザイナー・アニメ作家活動を経て、同大学大学院に入学、ビジュアル・デザイン専攻修士課程修了。2022年、㈱大広/大広WEDO入社。デジタル広告を中心にデザイン制作およびディレクション業務に携わる。Metro Ad Creative Award 2022ファイナリスト。

受賞コメント

「贈与」という言葉はチャリティやボランティアといった慈善活動の文脈に取り込まれがちです。しかし、贈与行為とは古来より人類がごく自然に行なってきた営みであり、決して特別なものではありません。一見対立する概念のようにも思える「贈与」と「消費(=交換経済)」のいきいきとした融合の可能性を、これからも広告の見地から探っていきます。部門初の受賞ということで大変光栄に感じております。本当にありがとうございます。

審査員からのコメント

本作は“贈与”という行為が消費の新たな動機になり得ること、その普及浸透を広告業界が推進するべきだと提言しています。これまで見えにくかった分断や孤立、困窮がはっきりと見え始めた日本そして世界に対して何か手を打たなければならないと多くの人が感じている今、“贈与=気持ちの送り合い”を装置として様々な場所に埋め込むことは確かに我々が加担できそうな取り組みだと感じました。幸せが循環する社会を予感しました。

朝日広告社 大城勝浩

本プレゼンテーションには「消費者の『受贈者的人格』にスイッチを入れ、育てることができる」という表現が出てきます。スイッチを入れる…つまり動機はすでに生活者の中にあって、私達ができるのはそれを活性化させること、という提案です。この表現に、プレゼンターの生活者に対する敬意と信頼を感じました。あなたはもっていない、だから買いなさい、ではない。あなたはもうもっている、から始まる広告。その世界をみてみたいと思わされる作品でした。

博報堂 伊藤耕太

プレゼンテーションとして非常にわかりやすく、「贈与」を広告活動に入れ込む活用方法も、事例を通して上手にストーリーテリングをしている。何より視点が非常に面白いと感じたし、時代性を汲んでいる。評価には直接関わりないが、大きな意味で「広告と幸福」という論文テーマにも親和性があったのが興味深かった。

マッキャンエリクソン 津田裕

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