第53回 懸賞論文 受賞者 宮井 弘之氏

第53回懸賞論文 論文の部金賞

課題:広告の新しい姿

①宮井弘之

宮井 弘之

博報堂

ミライの事業室 Hakuhodo JV Studio 部長

『生活者は広告人となり、社会そのものがメディアとなる
〜シンギュラリティ時代に広告が欠かせない産業になるために〜

プロフィール

慶應義塾大学商学部卒。02年博報堂入社。新商品・新サービス・新事業の開発支援に従事。幅広い業界のリーディングカンパニーと300超のプロジェクトを経験。15年、博報堂子会社として、近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開するSEEDATAを創業。21年度より博報堂の新規事業組織ミライの事業室へ参画。著書に『バカにされたらありがとう』(幻冬舎)他多数。 博士(経営学)(筑波大学)

受賞コメント

この度は栄誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。論文において提案した「社会彫刻」のような広告の新しい全体像、そして自律分散的な共創活動へと向かう広告の未来像は、私の願いとビジョンを映し出しています。本論文が広告業界における対話と前進のきっかけとなれば幸いです。皆様のご支援とご協力を賜りながら、共に未来へ進んでいけたらと思います。

審査員からのコメント

過去の受賞作から得られる知見を再構築し「広告の新しい姿」を紡ぎ出す=「新しい懸賞論文の姿」にも挑戦した意欲作でした。手法面でのイノベーションは、ともすると手法の新しさのみにとどまりがちですが、紡ぎ出された「広告の新しい姿」は、これからみんながチャレンジしたくなる、ワクワク感溢れるものです。「新しいって何?」。私たちが常に対峙しているテーマに鮮やかに答えた作品でした。ありがとうございました。

ジェイアール東日本企画 鈴木良平(第53回審査委員長)

テーマである「広告の新しい姿」を考えるために過去の懸賞論文レビューから説き起こした点がまず評価できる。過去論文にはそのヒントがたくさん詰まっているからだ。その上で筆者は社会彫刻の概念を援用し「広告の新しい姿」を5つの要素に構造化、さらにWeb3を用いた新たな経営モデルを提案するなど包括的で野心的な提案を行っている。文末にあるようにこの作品がさらなる「広告の新しい姿」を考える呼び水となるのは間違いないだろう。

ADKマーケティング・ソリューションズ 宇賀神貴宏

現在の社会変化と過去のJAAAの論文から「広告の新しい姿」を生み出す要素を構造化することで整理するとともに、そこに新しい視点としてアナロジー思考を用いた「社会彫刻概念」を取り入れ、具現化させる道筋を示してくれたことが素晴らしい。「人間の創造性にさらなる焦点があたる時代」に社会彫刻家となる我々広告人がどのように活躍していくのか、今後を楽しみにさせてくれたことも含め金賞に相応しい骨太の論文である。

クオラス 中原敬介

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