第53回 懸賞論文 受賞者 山本 健太氏

第53回懸賞論文 一般部門

第1テーマ:広告ビジネス

①山本健太

山本 健太

博報堂

生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
事業構想クリエイティブ一部
イノベーションプラナー クリエイティブストラテジスト

『Open CX
~持続可能な社会と企業変革をリードする新たな体験OS~

プロフィール

2017年博報堂入社。初任でストラテジー部門に配属。その後、クリエイティブ部門へ異動。現在は戦略から制作まで一貫したブランドデザインを専門領域にするクリエイティブストラテジストとして、様々な業界の企業支援に携わる。近年は、広告コミュニケーションのみならず、事業構想や商品・サービス開発案件を中心に担当。マーケティングアジェンダ2023 ヤングクリエイティブコンペグランプリ受賞。趣味はいい音楽に出会うこと。

受賞コメント

この度は栄誉ある賞をいただきましてありがとうございます。広告界が、社会を豊かにする時代のエンジンとして存在してきたのであるなら、時代の要請が変わった今、その根本的な在り方も見直すべきなのではないか、という問いから今回の論考はスタートしました。私の所属するチームの専門領域であり、ビジネス界の重要OSとなりつつある「顧客体験(CX)」に、「社会性」の視点をもちこめないかと思索した軌跡が今回の論文です。本稿を出発点として、日々の仕事と暮らしの中でさらに考えを深めていきたいと思います。

審査員からのコメント

「顧客体験(CX)」は近年注目されるキーワードの一つだが、その概念は意外と曖昧だ。筆者は論文でWHYとHOWの視点から顧客体験を分類するアイデアを示しているが、これは実務上でも「顧客体験」概念の再点検につながり得る有用なものだろう。さらに筆者はその中でも「社会課題×共体験」で区分される体験を、社会をより良い方向に変える可能性がある体験として価値を見出している。こうした体験提供の視点は、まさに広告会社が企業活動への支援を通じて社会課題解決に貢献する道筋を示すものといえよう。

ADKマーケティング・ソリューションズ 宇賀神貴宏

事業の成長と社会的な価値創出の両立という今企業にとって非常に重要な課題に対して、広告会社は何が出来るのか、CXという切り口から論じている。一括りに語られがちであるCXを、課題領域と体験の届け方という二軸に基づき、個に閉じない開かれた体験の拡張という視点で明晰に整理・提案されている事と、特に「社会課題×共体験」という新たな領域で広告会社が果たす役割についての言及は、今まさに広くシェアされるべき価値ある内容と思います。

日本経済社 深澤博

CXという顧客の体験価値に注目が集まる現在、そのCXをアップデートすることによって、事業会社にとっては事業の成長と両立し得る、また生活者にとっては社会性とも両立し得る、まさに事業会社と生活者が共により良い社会を築いていくための接点を見出し、その可能性、未来を指し示してくれています。近い将来こうであってほしいし、またこうあるべきと思われる優れた考察、提言だと思います。

フロンテッジ 中西知行

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