第52回 懸賞論文 受賞者 平野 光太郎氏

第52回懸賞論文 「私の言いたいこと」一般部門

第2テーマ:広告プランニング

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平野 光太郎

博報堂

第一ブランドトランスフォーメーションクリエイティブ局
チーフアートディレクター
『デジタル化による「デザインの三つの民主化」―次のデザイン・XDesignへ―

プロフィール

東京藝術大学美術学部卒業。現在、博報堂第一 BXクリエイティブ局勤務。ブランド作りの視点でCI/グラフィック・プロダクト・体験・動画/CMまでデザイン。ADC 賞、グッドデザイン賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、New York Festivals Grand Award、CLIO AWARDS Gold、LIA Gold Award、Cannes Lions Bronze など受賞多数。

受賞コメント

栄えある賞に選ばれ、びっくりしています。今までデザインを通して広告制作に携わってきましたが、体系立てて広告とデザインについて考えをまとめたことがありませんでした。今、広告もデザインも大きな変化の波の中にいます。この論文執筆が自分のデザイン道の道標になったら良い/ひょっとしたら暗中模索の中で悩んでいるデザイナーの助けになる かも…という思いで取り組みました。ありがとうございました!

審査員からのコメント

広告会社のデザイナー/ADだからこそ、領域横断的、融合的な本質のデザインの提案が可能になる、という主張は、広告会社にいるクリエイターたちをエンカレッジする提案。筆者自身が「デザインの三つの民主化」に直面しつつ、それをポジティブにとらえ、自らの進化の糧としているのであろう。クロスデザインという挑戦の行く末を楽しみにしたい。

大広 片倉淳子

広告会社にとっても喫緊の課題であるDX。技術や社会システムの多様化・複雑化で専門分化したものが、デジタルの力によって再構築されていくとの予見は希望と期待にあふれています。「デザインの三つの民主化」によって生み出される膨大な自由度が、新しい体験価値が生み出す可能性を強く感じさせてくれる論考でした。

東急エージェンシー 飯塚久哲

「アートディレクターって面白そう」と思わせてくれる作品であった。デジタル技術の進化がもたらした変化を「デジタルの民主化」と称し、「脅威」ではなく「専門分化したデザイン領域を横断して本質を目指すものにとってのチャンス」ととらえ、将来性に期待を抱かせる。「脱領域的・領域横断的な姿勢を進化させ、デザインが提供する価値を拡張する」ことは簡単ではないかもしれない。それでも「理想論にすぎない」と思わせないのは、著者自身が覚悟をもってその実現に取り組んでいるからであろう。それが伝わってくることがこの作品に力を与えている。

読売エージェンシー 西村まなみ

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