第52回 懸賞論文 受賞者 向井 俊介氏

第52回懸賞論文「私の言いたいこと」新人部門

テーマ:自由

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向井 俊介

日本経済広告社(ADEX)

IMC推進本部IMCプランニング局第2部
『2022年の行動変容モデル「FUREEM(フレーム)」の考案

プロフィール

愛媛県出身。1998年生まれ。
大学在籍時はバンド活動の傍ら、社会心理学ゼミに所属し、「性役割観と被服行動」をテーマに卒業論文を執筆。服好きをきっかけに、消費行動やブランディングに興味を持ち、プランナーを志望。 2021年、㈱日本経済広告社に入社。コミュニケー ションプランニングを担当するIMCP局にプラン ナーとして配属。趣味は料理と筋トレ。高校生のころからドレスコーズ「志磨遼平」に憧れており、 同じ髪型になるべく、髪の毛を伸ばしている。

受賞コメント

この度は新人部門での入選、誠に光栄に思います。 お世話になった社内の皆さま、参考文献筆者の皆さま、 論文の書き方を叩きこんでくださったゼミの先生にお 礼を申し上げます。 話は変わりますが、「愛だろ、愛っ。」 佐倉康彦氏のこのコピーが私はすごく好きです。私・広告業界・時代へのボディブローだと思えてならないからです。 2022年、『日本の広告費は過去最高』を更新しまし た。一方で近年『広告嫌い』の人が増えているようで す。この2つの事象は何を意味しているでしょうか。 正解はまだ見つかりませんが、コミュニケーションが 作るブランド愛は大切にしたいです。そんな論文が書けたと思います。

審査員からのコメント

行動や態度変容のモデルは様々な議論がなされていますが、この論文では「CREEP」をもとに、コロナ禍を経た現代社会の行動変容を加味してアップデートしています。特に「生活者は我々が思うよりも消極的」というエッセンスは、情報過多、コロナ禍、コモディティ化された現代の生活者の心理を捉えているように思います。全体的に新人部門の作品とは思えない着眼点と内容で、印象に残った作品でした。

クオラス 長谷川敦

非常によく考えられた広告モデルで、新人部門でこの作品が出てきたことに驚きを感じた。情報の大量消費の時代に、「選びたくない」消費者のリアルを捕まえており、「滞留する」というエボークセットの設計が素晴らしいと思う。非常に学びのある作品だった。

マッキャンエリクソン 津田裕

コロナ禍やウクライナ侵攻など社会情勢が大きく変化する一方で、行動変容モデルが再定義されていない現状をとらえ、自らの考察を提示した。CREEPのアップデートという着眼点と、そこからFUREEM理論を導き出したことなど、新人部門とは思えない力作であった。既存のモデルをベースに3つの発想を加えて新しい理論へアップデートしたこと、事例を提示し解説したことで説得力のある提案になっている。展開も巧みで、中でも森岡毅氏の言葉の引用などとても効果的であったと思う。世界はどんどん動いている。これからも考察、実証を繰り返し、未来に向けて提言を続けてほしい。

読売エージェンシー 西村まなみ

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