2020年度情報システムに関するアンケート報告 ~新型コロナウイルス対応について~ 

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アンケート結果から見えてきた課題

5.今後のIT施策の優先順位をどうするかが課題

今回のコロナウイルス対応では、迅速かつ大規模な対応が求められたため、当初予定していた案件の優先順位を下げて、新型コロナ対応を優先的に実施したところが多いが、コロナウイルスの感染状況が落ち着いた後のIT施策はどうなっていくのだろうか。

まず、仕事のやり方が「コロナ前」の状況に戻るのか?といえば、そういうことにはならないのかもしれない。リモートワークの生産性に関しては様々な意見があるが、リモートワークの良さも認識された今では、「オフィスワーク」と「リモートワーク」をうまく組み合わせた、「Withコロナ時代の新しい働き方」になっていくのだろう。

「新しい働き方」を進めていく上で、リモートワークのコミュニケーション不足をどう補うか、プロジェクトメンバーの稼働をどう管理していくか、業務システムにオンライン承認をどう組み込んでいくかなどITで解決しなければならないテーマは多い。

一方で、VDI端末の導入、アプリケーション改修費、通信費など、「新しい働き方」にかかる費用も大きく、いったん優先順位を下げた既存案件も残っている。

コロナウイルスの影響で予算削減のプレッシャーもある中、どのような優先順位で施策を行っていくか、各社のシステム部門は難しい舵取りをしなければならない。

 

6.リモートワークが難しい業務への対応については課題が残っている

今回、すべての業務がリモートワークで対応できたわけではない。得意先への請求書などは従来通り紙で発行せざるをえないところが多かったようである。また、PCの配布・機器の故障対応など物理的なサービスが伴うものについても、出社して対応せざるを得なかった。

リモートワークが難しい業務は次のようなものであった。

-請求書、注文書などの発行業務

-送稿業務、放送確認業務

-支払業務

-契約書の締結

出社して対応しなければならない業務を一言でいってしまうと、「紙ベース」で行われている業務であるということだ。社内だけで流通する紙書類については、リモートワークでも可能なように業務プロセスを見直していく動きが各社で始まっているようであるが、請求書や注文書など相手先のある紙書類や、業界ルールが紙を前提として作られている場合などは、個社単独でなんとかしようとしても限界がある。

これまでも広告業界では広告素材のオンライン送稿など業界同士が話し合ってデジタル化を実現してきた実績もある。今度は「ペーパーレス化」をテーマに、古い慣習を見直し、ペーパーレスを基本とした業界ルール(ガイドライン)の策定を目指してはどうだろうか。

お問い合わせ先 一般社団法人日本広告業協会 情報システム委員会 担当 勝田

TEL 03-5568-0876