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株式会社 ADKマーケティング・ソリューションズ
メディアビジネスセンター 第1メディアビジネス本部
ラジオビジネス局 ラジオビジネスグループ

尾田 奈々帆

「私とラジオと広告と」

 

私は17年間、ずっとクラシック音楽の世界で生きてきた。特に東京藝大附属高校、東京藝大在学時代は、ほとんど外界と遮絶されていたと言っても過言ではない。

 

防音室でたった一人、美しい音色の探求を続け、師匠と共に何百年前の作曲家、理論を研究し、その成果をお客様に提供し続ける日々。「本物」とは何か、追求を続けた。いわゆる「普通」の生活を送ることは困難だったが、充実していたと思う。

 

しかし愛するクラシック界も、少子化問題や、各家庭の安定志向な教育方針により、徐々にではあるが縮小してしまっている。この状況を打破するには、外界に出て世に広める方法を勉しなければならない。そしていつかはクラシック界と、また、同じ境遇にある他の業界の人たちを救える人間になれたら。そう思い今、ここにいる。

 

だが就職した私は、「広告」が分からなくなった。好きなテレビ番組の間に挟まるCM、癒しを求めて見ているYouTubeの間に現れる突然の動画広告、街中で大音量の音楽を流し続けているラッピングバス、WEB記事をスクロールする度に出てくるバナー、これらは利用者にどう受け取られているのだろう、と。

 

そう悩む私は、思いもよらない配属でラジオと出会った。ラジオを聴いたことのなかった私が、聴くようになってまず驚いたのは「CM感の無さ」だった。嘘だと思う人は一度聴いてみてほしい。純粋なスポットCMも「音のみ」だからこその細かい工夫が見られ、番組内のパーソナリティ読みCMは、番組の雰囲気のままアドリブも加えられ、面白おかしく放送される。どのCMも番組も、「今聴いている人」に寄り添っているのである。その時間は確かに温かさに満ちていた。

 

「ラジオを聴く人なんてもういないって」、「どうせおじいちゃんおばあちゃんしか聴いていないでしょ」。配属されてから何万回とかけられた言葉だ。だがradiko社が発表した第13回利用者アンケート調査によると、昨年調査時に比べ男女10 ~ 20代の増加率がNo.1だという。ラジオを聴く若い人たちが確実に増えているのだ。今、ラジオは求められている。

 

情報が溢れ、取捨選択をされるこの現代、利用者のデータをもとに広告を確実に当てることや、インパクトを求めたクリエイティブに凝ることが重要視される。もちろんそれらも大事なことであると理解しているが、私はまず、「利用者に寄り添った広告」を第一として、クライアントへ提案していきたい。それがいずれはクライアントの利となることを信じているからだ。

 

正解が存在しない広告の世界で、あの頃の「本物」を追求していく気持ちを忘れずに。

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