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株式会社 JTBコミュニケーションデザイン
コミュニケーションプランニング局
プランナー

齋藤 明子

「その人」をどう動かすか。

「ターゲットは?」プランニングに関わる中で、あらゆる場面において考えることである。
入社間もない頃、とある企画を考えた際、上司に「ターゲットは主婦です!」と堂々と発表をした。その直後、「主婦って? 何歳くらい? どんな主婦?」と質問され、言葉に詰まってしまった。それ以上の設定は考えすらしていなかった。私はぼんやりとした的に向かって目をつぶってボールを投げていたのだ。このような考えでは、もちろん企画として採用されるわけもなく、クライアントが納得できるわけもない。今考えると当たり前だが、忘れられない苦い思い出である。それから「ターゲット」という言葉に苦手意識を持つようになってしまった。「またターゲットか」「ターゲットと言われても」…もはやターゲット呪縛だ。
しばらくしたある日、ターゲット呪縛の中でグロッキーになっている私を見かねてか、上司から「ちょっと出かけてきたら?」と言われた。その時は、てっきり気分転換を勧められたと思っていた。私は当時担当していた商業施設へ足を運び、ベンチに座って周りを眺めてみることにした。すると、そこには様々な人たちがいた。夕飯の食材を買いにきたであろう子連れの女性、テニス教室帰りであろう老夫婦、ご近所さんなのか井戸端会議をしている奥様3人組…ぼんやりしていたターゲットがはっきりと目の前にいたのだ。今まで、画面上のデータをみてどうのこうの、分析するとどうのこうの、と考えてもモヤがかかっていたターゲットがはっきりと。上司は私に「目で見て確かめてきたら?」と伝えたかったのだ。
そこから、私は目で見て確かめることを習慣化するようにした。街中に出ては色んな人を見て歩いた。そして、さらに「いかにその人になりきるか」を意識するようになった。振り向いて欲しい「その人」に。とはいえ、本当に「その人」になることはできない。しかし、言動などから想像・推察することはできる。たぶん30代くらいで、今日はきっと自分へのご褒美にこれを買ったのだろう、などと。目で見て考える、目で見て考える・・・そして、なりきって想像してみる。それを繰り返すことでターゲット呪縛から徐々に解かれていった。今でも、とある日はSNS熱心な女子高生に、とある日は疲れ切ったサラリーマンに、とある日は富裕層のシニアになりきって楽しんでいる。
テレワークやDXが進む中、便利なことに仕事は画面1つを前に実現できるようになったが、これからも私は外に出て目で見て確かめ、「その人」になりきり、ターゲット目線でプランニングすることの大切さを忘れないでいたい。

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